So-net無料ブログ作成
検索選択

ニコンとニコマート [銀塩カメラ]

 フィルムカメラ時代だと一眼レフは階級的にも高い地位にあったと思う。おおよそ中学生なぞには買えないというか、親にもねだれない高価なものだった。でもまあ、私なんぞは親父をダマして一眼レフを手に入れ、それをきっかけとして写真はじめて、それを間違えて仕事にしてしまい、これまで30年以上経て、なんとかまだ息ができている。これは幸せであろうな。
 それはさておき、型落ちの、とくにエントリークラスの一眼レフの価格暴落というか崩壊は、何か見ていて将来への夢がしぼんじゃうんじゃないかと心配になる。新品なのにコンデジより安くてどうすんだよ、ってこともあるのだ。中学生のお年玉とかで買えるんじゃないかなあ。ま、私自身もEOS KissX6iとか使っているから、機材的には後輩の方々に夢を与えることができるようなカメラマンじゃないけど。
 中古フィルム一眼レフも、ものすごく廉価だけど、まだ存在感を残している。だからすでに所有しているカメラでもさらにムダに購入し数を増やし後悔するわけだけど、自分の中の精神的な充足感(あくまでも趣味的なものね)からすると納得できたりするのである。
 諸先輩方から「ニコンF」が欲しかったけど結局は廉価版の「ニコマートFTN」しか買えなかったよ。という話を聞かされることがある。もっと先輩になると、ライカが買えないのでキヤノンだとか、レオタックスを代わりにした、みたいな話も出てくるけど、往時の所得水準から考えると、メーカーとか機能とかに関係なくとにかく“カメラ”と名のつくものはすべて高かった。
 少し以前にニコマートの価値をカメラ的にもアイテム的にも見直してみるという、例によって、意味もなく、つまらないことを個人的にはじめ、各種ニコマートをコンプリートした。もちろん今の時代だから、総額は大した金額ではない。
 ニコマートは大ヒット商品だけど、もし仮にニコマートのエンブレムがニコンだとしたら、もっとバクハツ的に売れていたのではないかと思うことがある。
 系列の絞り優先AEを搭載したニコマートELの最期が「ニコンEL2」にはなったが、ニコマートFT系列は最期はニコマートFT3で終わる。ニコマートのままで生涯を閉じたのだ。ニコマート名にこだわったのはいつかはニコン手に入れるのだという夢と希望をユーザー持たせるための戦略だったのかどうか。でもニコマート現役当時だってけっこう高かったと思うぞ。
 いまの中学生が型落のエントリークラスのニコンデジタル一眼レフを廉価に入手して、いつかはニコンD4を手に入れるのだと夢を描くのかどうかは知らない(もっとも一眼レフが生き残るかどうかもわからないし、中学生がフラッグシップ機を入手できるころにはD8くらいになっていそうだ)けど、だったら廉価な一眼レフはニコマートに名前を戻して、「ニコマートD3300」とかにしたほうがいいんじゃないの。意外としっくりくるじゃない。あるいはニコン1のようなミラーレス機で考えてみるとかさ。で、見ていろ、いつかはオレも正統派の「ニコン」にするぜ、とか思ったほうがよくないすか?
古くさい話で却下?あ、そうですか。すみません。
nikomatfs01.jpg
ニコマートFSのボディ上部。はいこういうカメラは知らないという人が正常です。ニコマートFTからTTLメーターやらミラーアップ機能やらを省略したさらなる廉価版。でも売れなかったんでしょうね。今はわりと珍品な部類に入る。ニコンFが基本的にメーターなしなのに対して、ニコマート系はTTLメーター内蔵でしかも安いっていうアドバンテージがあったから売れたのだと思うけど、メーター省いたら売れるわけないよなあ。専用の外部連動メーターとかも用意されていないし。でもニコマート各種の縦走りコパルスクエアシャッターのバシーンという音は個人的に好きですね。
nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(1) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 6

jkz

こんばんは。
子供の頃、カメラ屋さんとかデパートのカメラ売り場などにあった、鍵付きショーケースの中にズラリと並んだカメラを見る度にドキドキしていました。
特に一眼レフは、たとえNikomatでも宝石以上に輝いて見えましたね。ましてや“Nikon”なんてシロモノは後光が射しているかの如く…(遠い目)
ウブでしたねぇ、あの頃(笑)。
by jkz (2012-11-24 18:28) 

タロー

三十数年前に親父がくれたニコマートELを、最近になって修理に出してフィルムカメラ撮影に復活しました。手に入れた当時は「ニコンのカメラ」というより、手にしたニコマートELが私にとって一眼レフの唯一の世界でありました。現在のニコマートの中古市場価格をはるかに上回る修理費用はわかっていましたが、それでも直して使い続けることができるのがフィルムカメラの魅力でしょう。

カメラのランク付け、そういえば最近は「数字によるネーミング」によるところが流行なのですかねぇ。
by タロー (2012-11-26 00:39) 

Koichi Akagi

そうなんですね。市中の修理会社では、メカニカル系のニコマートだけでなくてEL系もけっこう調整可能ですねえ。頑丈なカメラだと思います。私もELWのワインダーの重量と使いづらさに閉口しながら楽しんでおります。
by Koichi Akagi (2012-11-26 15:55) 

Hiro 

Nikomat ELのブラックとシルバーを某店のジャンクワゴンで転がっているのを回収してきました。モルト交換とクリーニングのみで問題なく作動しています。カメラ屋としては中古品としての人気も価値も無いということなのでしょうか。

あの男性的な面構え、まるで喝を入れるかのようなシャッター音にしびれます。ボディの重量バランスが絶妙なのか、スローシャッターでもブレにくい印象です。

私のところでもデジイチが主役になってしまいましたが、精神統一のための居合切りをするような感覚・・・無心で被写体に向き合い、Nikomatのシャッターを切っていきたいと思います。
by Hiro  (2016-06-21 20:53) 

堀江俊昭

私が入手したニコマートELはエンブレムがNIKONとなってます(昭和50年ころ入手)このようなものが出回っていたのでしょうか?
by 堀江俊昭 (2016-07-26 10:41) 

Koichi Akagi

ニコマートEL用のエンブレムはニコンEL2の「Nikon」エンブレムに交換可能だったようです。ただし、単純にパーツを換装するのではなくて、交換専用に作られたパーツが必要だという話を聞きました。たぶんAi化のための加工が必要だったからかも。ニコンはそこまでやるかという対応ですね。
by Koichi Akagi (2016-08-13 09:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 1

この記事のトラックバックURL: