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被害は極めて軽微なり [カメラ]

  新宿タカシマヤでの新宿クラシックカメラ博で21日に行われた当方のトークショーにはたくさんのお客様に来ていただいて感謝しております。
 とりとめもないことをあれこれしゃべってしまい、ちと反省をしているところです。8/22日の夕刻までやってますが、台風の上陸とカチ合ったのは不運でした。
 私はこう見えても真面目なので(笑)、手元にあるカメラは雑誌連載のネタにならずとも順番にひっぱりだしてフィルムを装填し、自分なりに一生懸命撮る方なのですよ。だけどローテーションがそろそろ限界に達しつつあリ、カメラはもう増やしたくないので、最近では中古カメラ関連のイベントには近づかないようにしていたわけです。でも、今回はイレギュラーな状況でしたから仕方ないですね。

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 で、やはり間違いを起こしてしまいました。何を入手したかといえば、フジカST701のブラックボディーを。前から欲しかったわけ、説得力ないけど、ペンタックスSPとの違いを研究するためにね。
 この個体は全般的に調子は悪いんだけど、フルメカニカルカメラだから、どこかでうまいこと修理してくれるだろうという期待を込めていらしていただいたわけ。お値段は居酒屋ランチに毛の生えた程度でしたから、我が方の被害極めて軽微なりということで許されるでしょう。たぶん。
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新宿クラシックカメラ博 [カメラ]

 新宿タカシマヤにおいて新宿クラシックカメラ博が開催中だ。22日までね。
土日はトークイベントがありまして、 8/20(土)13:00〜かくたみほ氏・大村祐里子氏「写真談義・カメラ談義」 8/21(日)13:00からは「写真家とカメラ」と称して、私もなんか話をせねばいかんようなのだ。20日は美女二人が盛り上げてくれるはずだが、私の方はぜーんぜん準備してない。だって、いま仕事が忙しいのホント。
 もちろん御用とお急ぎでない方はいらしていただいてもいいかもしれないですが、確実に役には立たないということだけは、ここではっきりと申し上げておきますのでよろしくお願いします。
 それにしても告知してくれってのはいけど、HPからのリンクのTwitterは古いままだし、トークショーのゲストに広めてくれって言われてもどうもなあ。あ、このとおり約束は果たしました。
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カメラグランプリ2014 [カメラ]

 カメラグランプリ2014が発表された。大賞にはニコンDfが輝いた。
レンズ賞はAF-Sニッコール58mmF1.4Gが受賞。おめでとうございます。
 興味深いのは両者ともに、突出した“世界初”とか“画期的”などという数値上の性能を有していないことである。
 デジタルカメラは常に先駆的性能、高画質であることが優れているという価値判断がされるのが普通だが道具としてのカメラの魅力とはそれだけではないことを世間に知らしめたわけだ。このことは重要だが一方でソニーα7α7Rの票を合計すると、ニコンDfの票より上回るらしい。つまり、票が割れたわけで、もしαが一機種だったら票の行方はわからなかったかもしれない。
 アサヒカメラ6月号には、審査員の誰がどのカメラに投票したのかを知ることができる(一部非公表の人もいる)ので、参考にしてみると面白い。私は今回の両受賞製品を大賞には押していない(笑)。
 本音からいえば、カメラやレンズに順序をつけるのは得意ではない。博愛主義を自負しているところもあるけど、レビューで数日程度カメラに触れて撮影しただけでは本当の実力はわからない。もともと、画素数や画質やコマ速度などのスペックだけではカメラを評価しないということもあるが、ニコンDfのような設計思想を持つカメラは、孤高の存在として考えたい。つまりグランプリ云々にエントリーされるカメラとは別のところに位置していてもらいたい気もする。それにひとつだけ苦言を言えば、作り込みも追い込めたと思うしキットレンズとなっているAF-Sニッコール50mmF1.8G Special Editionのデザインの中途半端にAiニッコールのそれを模した感じがDfの思想に少々背いているのではないかとも感じた。
nikkor5114.jpg
古いニッコールオート50mmF1.4レンズのデザインは見事にDfと合う。このあたりを参考に絞り環をつDタイプ(Dfにはカメラ内にもAF駆動モーターがあるから可能なはず)にしたりフォーカスリングのデザインを見直すなど、もっとキットを高く売る(笑)方法もあったように思うわけだ。
 まあ、いずれにせよ、そう遠くない時期にニコンDfはうちにお越しいただくことになると思う。
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CAMERA fanのハッセルブラッド [カメラ]

 Web記事のCAMERA fanのカメラアーカイブって連載記事のハッセルブラッド特集でまたバカさらしているんだけど、ハッセルブラッドって自分の中では6×6判のVシステムがすべてみたいな感覚があるのだが、これは自分がトシ食った証拠なのかもしれない。いまではHシステムが主流であり、たしかVシステムは製造が終了したのではないかと。まあ、Vシステムもデジタルバックを装着すれば、デジタル対応はできるのだけど、これがいささか厄介である。
 メカニカルカメラとデジタルの整合はなんとかクリアしているとは思うのだが、とにかくフォーカシングが難しい。超高画素であることも理由としてあって、ピントの奥の奥まで注意深くみないと満足のゆく仕上がりにならない。もっとも毎日のように大型ポスター制作してます、ということはないから“そこそこ”とか“まずまず”程度のフォーカシング精度でも本来はいいんだけど、やはりモニターで拡大すると、ある程度絞り込んで撮影した状態でも、レンズの最良のフォーカシングポイントは一点しかないのだなあとあらためて考えさせられる始末である。けっこう、このわずかなピントの外れって実用上は問題はなくても気になり始めると寝付きが悪くなる。
 私の場合は依頼仕事は人物撮影が主だから、相手は動くし、こちらも三脚は使いたくないしで、けっこうなせめぎ合いとなる。スタジオ撮影で大光量のストロボを使って絞り込んで撮影するには問題はないんだけど、そればかりではないし。やはり静物とか風景撮影用なのかもと思ってしまうけど、ハッセルって手持ちで撮影したいという意識がどうしても抜けない。それに6×6フォーマットならいいんだけど、デジタルバックは違うしね。
 ま、そんなわけで、仕事では使用頻度が極端に減ったハッセルなんですが、最近は覚悟を決めてプライベート用としてフィルム仕様だけに戻して使っているのだが、仕事カメラから私事カメラになったことで趣味の楽しみみたいなものが再び見いだせられつつあるのではないかとも思うのだけど。
 それにしてもいま中古市場ではハッセルVシステムは極端に安い。あの特別な憧れだったハッセルがこんな価格にと思うと、少し辛いけど、これが時代というものなんだろうなと。
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ハッセルブラッド500C/Mって、やはり自分の中のハッセルのスタンダードである。最近では標準レンズセットでも10万円を割る価格で販売されていたりして、ほんとびっくりするけど、ハッセルを使いたい人にとっては幸せな時代が訪れたと考えるべきかも。
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パンケーキ人気は本当なのか2 [カメラ]

 Twitterだったか、またまたパンケーキレンズの話題になっていたので、拙著にもその項目はあるし、以前にもこの話題をやったので続編である。
 なんでもキヤノンのゴールドラッシュキャンペーン中に、EF40ミリF2.8STMを買うと、定価は中古よりも安くなるけどいうことが騒がれているのだが、売れているレンズにこういうことはしませんね。
 パンケーキレンズは、小型軽量はもとより、ボディへ装着した時に出っ張りが少なくなるから携行性がよくなる、ってのが利点のひとつだけど、この特徴を活かして日々お使いになっている写真家ってそんなにいらっしゃらないのでは。たしか写真家の森永純さんの話だったか、「カメラ毎日」かなにかで、ニコンF+GNニッコールオート45ミリF2.8をつけて、「波」を撮っています、という談話を読んだことがあって、この組み合わせの理由はコートのポケットに入るということだったと思う。うーん、それはたいへんカッコいいけど、ニコンF自体が重いからどうなんだろうと思った記憶がある。
 パンケーキレンズが一番の話題になったのは、ペンタックスMEが出たころか。SMCペンタックスM40ミリF2.8とMEの組み合わせで、世界最小一眼レフとうたっていた記憶がある。
 そして京セラコンタックス時代のテッサーT*45ミリF2.8ってのも出てきましたね。もっとも、これ以前に先のGNニッコールをはじめオリンパスペンF用にもズイコー38ミリF2.8があるし、ロッコールにもTD45ミリF2.8というレンズがあったし、ペンタックスではフィッシュアイタクマーの18ミリF11なんていうきわどさバクハツのタマもあったような。でも、レンズ全長の短さとか、薄さをことさら強調した広告コピーなど、それらのレンズが現役当時だったころは見たことはないと思う。
 話を戻して、オリンパスのOMズイコーに40ミリF2というのがあったし、ニコンFM3Aとの組み合わせでAiニッコール45ミリF2.8Pが出てきたわけで。
 そして、現在はオリンパスのMズイコーデジタル17ミリF2.8とか、ズイコーデジタル25ミリF2.8パナソニックのルミックスG14ミリF2.5ルミックスG40ミリF1.7とか、ペンタックスからもDA21ミリF3.2AL LimitedDA40ミリF2.8XSDA70ミリF2.4LimitedキヤノンからはEF40ミリF2.8STMと先に挙げたEF-M22ミリ F2 STMってのがありますね。あと、コシナのフォクトレンダーシリーズからは、カラースコパー20ミリF3.5 SLⅡN Aspherical カラースコパー28ミリF2.8SLII Nウルトロン40ミリF2SLII Nもある。こうやって書き出してみるとけっこう凄い種類がありますな。
 でも、一部のものを除けばパンケーキレンズはユーザーからの希望は多いんだけど、いざ発売してみるといまいち売れないというのが定説である。で、早めに製造中止するとこんどは騒ぎとなりプレミアがついたりするのも笑える。たしかテッサーT*45ミリF2.8は一度製造中止されたのだけど、再発売の声が多くて、再度復活したのではなかったか。Aiニッコール45ミリF2.8PもGNニッコールの焼き直し的なレンズであることは間違いない。でも、しばらく経って、一部の店で在庫処分とかしていたように思う。
 売れないのはなぜかといえば、このズーム全盛の時代に単焦点レンズは人気がないこと。もちろん一部にはパンケーキレンズ絶対好きって人もいるんだけど、これら“欲しい”人におおむね行き渡ると、それでおしまいみたいな感じなる。
 前回のエントリーでも書いたけど、操作性よりも見た目を重視したレンズがパンケーキレンズであり、購入しても一度ボディに装着して、部屋のなかであれこれ姿カタチをみて満足して、「ん、軽いぜー」とか独り言いって喜ぶ目的のためにあるのでは。または飲み会で見せびらかすとか。それにパンケーキレンズは小さいシリコンクロスに包んでカバンの中に放り込んでおいたり、またはボディキャップ代わりに取り付けておいたりすることが多いが、レンズ交換のために一度外すと行方不明になることがある。だからあまり持ちだしたくないんですよね。もちろんカメラ一台、レンズ一本で世界の全てを斬りとるのだ!というココロザシの高い人にはおすすめしますよ。ま、でもなかなか難しいよね。
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SMCペンタックスM40ミリF2.8を装着したペンタックスK1000。こういうどうでもいいような安カメラ、というかデカいカメラにパンケーキレンズつけちゃうっていう、ミスマッチングさのほうが好きなんです。個人的に(笑)
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ライカブティック [カメラ]

 新宿のマップカメラ内に「ライカブティック」が2月20日に誕生。お披露目のご招待をいただいたので出かけてみた。ここのところのライカの販売攻勢はすごくてご存知のように直営店はあるし、デパートにもお店があるわで、高級ブランド戦略は非常にうまくいっているようだ。
 この不景気の最中、高価なカメラたちなのに売れ行きも相変わらず好調のようである。お店はショーケースが新しくなり高級感がある。「Leica」の赤のシンボルマークが誇らしげである。店内は広くなったわけではないが、新品と中古を同じフロアで見比べたりもできるのでけっこう楽しい。
 レンズの在庫が豊富であることも特徴だろう。2月20日の当日などズミルックスM21ミリF1.4 ASPH.M21ミリF1.4 ASPH.が4本くらいありましたぜ。凄いわ。カール ツァイスフォクトレンダーレンズの展示もあることも嬉しい。
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 現行の機能は半世紀以上前のもと言っても過言ではないほどクラシックなんだけど画質はオリジナリティがあるし、当然高品質。このギャップが面白いわけだ。
 もともとはレンジファインダーカメラは“ミラーレス”なんだから意外といっては失礼だけど、デジタルとのマッチングが良かったことも思いもかけない整合性をもたらしている。一眼レフではデジタル、銀塩の併用はなんか違和感あるんだけど、M9とM3の組み合わせ、という撮影方法をとってもさほど違和感がないのはけっこう不思議である。なぜなんだろう。
 今春発売のライカMでは、ライブビュー撮影も出来てしまうから、長焦点レンズ使用時にもアドバンテージが大きくなる。AFなんか要らないよという人からは、また一眼レフ不要論が出てきてもおかしくはなかろう。2012年は一眼レフの攻勢が凄かったけど、どうみても今後は業界全体としてミラーレスカメラの攻勢は強まりそうな予感がする。その中にあってもライカは機能的に古くても最新ミラーレス機と戦えるところが凄い。独自の存在感は揺るがないのである。
 それにしても自分の仕事は小商いばかりなのに、こういう危険な店がオープンするとタイヘンなことになりそうである。嬉しいような困るようなー。
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CP+2013 [カメラ]

 1/31日から、パシフィコ横浜においてカメラと写真映像の情報発信イベント、CP+2013がはじまる。2/3日までね。ネットから事前登録をしないと入り口でカネ払わねばならないハメになるみたいですよ。知らんけど。
 各メーカーともに売れっ子の写真家先生方が色々とイベントとか講演とかをやっているそうですが、私はショー関係が不得意というかぜんぜん行きたくなくて、幾度か講演だか教室だかの依頼が来ましたけど、準備とかするのが面倒で時間をとられることと、本業の撮影もカメラ雑誌の原稿も忙しいからこれまで全部断ってました。すみません(笑)。ま、今回は様々なしがらみもありまして、なんとしても行かねばなりません。で、CP+に行くのは実は今回がはじめてでして恥ずかしながら。そう云うとメーカーの人とか同業者に驚かれたりします。
 そういやドイツで二年に一度開催されるフォトキナだって、3度ほど行って、もう十分だなあと思ってしまった。最初にフォトキナに行ったのは2000年だったか。当時のドイツのネット環境が悲惨で、ホテルからアナログ回線でアクセスポイント(懐かしい)に繋げていた。でもなぜか電話が繋がらず(笑)たしか、スウェーデンだかフランス経由だかのアクセスポイントに国際電話をかけ、ネットに繋いで原稿を送ったような記憶があるが、莫大な電話代がかかった。オレが払ったんじゃないけど。
 その後にブラウンシュバイクのローライ工場を見学したんだった。最後はいつだったかなあ。ライカM8が出た年だから2006年だと思うが、この時は飛行機がとれなくて、たしかミュンヘンのホテルでカンヅメになって原稿書いてました。ま、早い話はショーのために狭いYの席で11時間も飛行機に乗って、ホテルで原稿書くのがイヤなわけ。
 あ、話が飛んでしまいました。本題はそのCP+でした。私は2/2日にやる「グランプリ30年に見るカメラの進歩」というパネルディスカッションに出ないといけないらしい。カメラグランプリの30周年を記念したイベントらしいです。らしいって人ごとみたいですが、具体的にどうするんでしょうかよくわかっていません。
 ま、お時間と興味のある方は当方のバカ面でもご覧になりに、じゃなかったこの30年のカメラの進歩ってどんなことなのかを具体的にご覧になりに来てください。受賞機種の展示もあるみたいですぜ。これも事前登録とかしないといけないらしいです。ということで。
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ツァイスの魅力2 [カメラ]

 オーバーコッヘンでのカール ツァイスのエンジニアはみな肩書きが「博士」で、日本人の認識だと、なんか知の巨人が勢揃いしたような集団で、けっこうな威厳があり当然みなさん誇り高い。
 日本のわけのわからん三流カメラマンにとっては、なにか異なる世界に生きる高貴な人々という感じがした。
 でもこちらも浅学非才ゆえに逆に怖いもの知らずであるから、いろいろとづけづけ訊いてみる。「良いレンズの解釈とはなにか」と質問するとツァイス側はMTF評価を絶対視しているところがあるから、数値的にいちばんよいものが良いレンズである。という当たり前のツマラナイ回答がかえってくるわけで、このあたりの解釈に関しては面白いわけもなく。
 でも以前の製品よりも大口径レンズのボケ味に関してはそれなりに考慮されている設計のようである。テスト写真も見せられたり、「Bokeh」の概念も聞いた。ま、写真は日本のカメラ雑誌の作例と同じようなもんだったので解析のための写真という感じだったけど(笑)。でも、写りから設計にフィードバックもかけているという話もしていたけど、これは当然であろう。
 前回でも書いたけど、マウントが異なるタイプのものを用意する汎用性のある交換レンズをAF化しないのは、AFのモーター駆動のためにレンズを設計したくないということもあるらしい。
 内部のレンズをモーターで動かすにはそのための光学設計とか軽量化のための硝材を考えねばならないからというのがその理由という。そんな頑なこと言わなくてもいいじゃないとか思うのだけど、でもAF駆動方式だって、レンズ内モーターやらボディ内モーターの方式があるから、ひとつの光学設計で両方ともうまいこと収めるというわけにもいかないのでしょうな。でもソニーとかひとつのシステムのためにレンズ設計するとなると、専用設計としてAFも含め自在に展開できるのだろう。
 いまのZF2とZEレンズは、小型軽量化も考えていない。これもまた数値性能の低下を危惧するかららしい。AFレンズのみしか使用経験のない人なら、フォーカスリングのトルクの重さにも驚く人が多いだろうし、回転角にしてもちょい大きめに思える。ニッコールのMFレンズはフォーカスリングの回転角を小さめにしてあるものが多いが、これはピント合わせを迅速にするという理由だろう。
 しかし、本気でフォーカスを追い込むには、速写性を犠牲にしてもフォーカスリングの回転角は大きいほうが理論的に合焦の歩留まりは上がるはず。いまのデジタルAF一眼レフカメラのピントのヤマのつかみづらい冗談みたいなスクリーンだと、ますます速写性は落ちてしまいそうであるが、これも鍛錬して、撮影者側が慣れてゆくしかなさそうだ。
 それでもうまいこと自分の理想とする位置にフォーカシングできた画像をみるとけっこう感激するものがある。つまり、ツァイスは撮る側にとってもある程度の努力を強いるのである。これをナマイキと思う人、効率を重視する人には向いていないレンズということになる。
 では苦労して撮影して写真に“ツァイスならでは”の描写があるのか、と問われると、これがまた答えづらい。でも、プラナーT*50ミリF1.4とか、プラナーT*85ミリF1.4などは、京セラ時代のコンタックス用交換レンズとほぼ基本設計は同じようでいて、開放時の描写は明らかに向上していることは確認している。開放時のフレアの量は明らかにいまのレンズのほうが少ないと思うし、開放時から高いコントラストが維持されている。
 解像力は国産レンズでコントラストはツァイスレンズだ、という話をしていた写真家もいたけどこれが事実かどうかは別として、出来上がった写真の見えという意味ではツァイスレンズは個性ある描写をするものが多いし、評価も高いわけだ。
 いまのツァイスレンズラインアップには旧レンズをベースにした改良型とまったくの新設計レンズとなっているものがあるが、新設計のレンズで私がけっこうガツンときたのはマクロプラナーT*50ミリF2マクロプラナーT*100ミリF2の2本のマクロレンズ。
 マクロレンズを大口径化するのはリスクを伴い、マクロキラーとかズイコーとか以外にあまり例がない。最大撮影倍率が1/2倍としたのも、性能面での維持のためか、あるいは大きさを抑えたためだろうか。もちろん接写リングとか、クローズアップレンズつけても性能低下は問題はない描写だった。合焦点の線の細さなんぞまさにマクロで、大きなボケ味とうまく同居した感じ。
 それに最近ではディスタゴンT*35ミリF1.4ディスタゴンT*15ミリF2.8の描写に驚いた。
 前者は、あのクセのある京セラ時代のディスタゴンT*35ミリF1.4が好きな人には合わないかも。以前のダメなところをすべて解決したような優秀なレンズで、以前のあのワイルドなクセのボケ味は絶対に得ることはできませんね。
 また京セラ時代のディスタゴンT*15ミリF2.8は天文学的価格でうわーと思ったし、写りにしても、なにか濁りのあるような独自の雰囲気は確かに面白くもあったけど、価格と描写特性が比例していないというか周辺画像とかみると、こんなもんなの「味」という言い訳でごまかしてない?みたいな感じだった。異論はあるでしょうけど。
 いまのレンズは逆に味気がないほど光を通しすぎてクリアで秀逸な描写をする。そのかわり、ちょっとびっくりするくらい大きい。この作例を挙げておこう。
 
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ディスタゴンT*15ミリF2.8ZEの作例1。EOS5D MarkIII 絞りf5.6 再近接域でもしっかりした像だし、ヌケが恐ろしくよい。ボケ味を語るレンズじゃないけど自然な雰囲気。
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ディスタゴンT*15ミリF2.8ZF2の作例。 ニコンD800 絞りf8 歪曲収差の補正が行き届いていることもあり遠近感の誇張が抑えられる。周辺画質も良好。
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ツァイスの魅力1 [カメラ]

 カール ツァイスレンズの魅力とは何ですか?と、2013年を迎えても知人から質問がくる。あー面倒くさい。だって、何度もこれはカメラ雑誌でも自著でもさんざん述べきたつもりだから読んでね、と投げてしまいたいが、ま、仕方なし。
 でも、逆の意味では、カメラのスペックマニアさんには通用しない話ばかりなので、こういう質問を受けた場合は、相手がどの程度の写真的なスキルがあるのか見極める必要がある。真面目な人は、製品の本質しかみないからね。
ご存知のとおり、スチルカメラ用の交換レンズとしては、いまコシナとツァイスのコラボレート企画による製品を指すのが一般的である。ニコンFマウントのものだと最初は電子接点のないZFマウントだったけど、いまではCPU内蔵のZF2マウントに進化している。ZEレンズってのはEFマウントですね。
 この企画が始まった時、日本で製造されるツァイスは本当のツァイスなのかと答えるのもバカらしい質問が多くきたので、コシナの工場に取材に行ったけれど、それこそクリーンルームでの組み立てと、厳格な検査に舌巻いてこちらも疲れましたわホント(笑)。ツァイス設計のレンズで、ツァイスの検査受けるんだから、どこで作られようがおんなじでしょ。
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ちなみにオーバーコッヘンと本家のイエナのツァイスでハッセルのレンズを組み立ててるところも見学したことありますけど、そのへんの小さな建屋のフツーの部屋でおばさんが作ってたぜ、って、あまりバラすと夢が壊れますね(笑)。
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それにしても、現行で用意されている一眼レフ用の交換レンズもライカMマウント互換のものも当然のようにMFレンズである。
 正直なところいくら性能がよいからといって、ビギナーさんに積極的におすすめできるものではない。ツァイスの思想からすればAF動作を行うためのレンズ設計をしたくない、という頑さがある。かつての京セラとかいまのSONYのツァイスレンズはAFのものもあるのに、汎用性のある交換レンズの場合は妥協したくないということなのだろうか。だからツァイスのチカラを思う存分発揮させるにはいかにピント合わせを正確に行うかにつきる。レンジファインダー用のZMレンズはユーザー側に理解があるし、使う人もそれなりにわかっているから説明する必要もないだろう。しかし、問題は一眼レフ用の交換レンズである。
 今は一眼レフもライブビュー撮影できるし、となれば画面の一部の拡大も行うことができる。静止した被写体なら誰にでも正確なフォーカシングが出来ると思う。
 肝心のOVF(光学ファインダー)ではどうなのさ、というと、たしかに心もとない。フォーカスエイドを全面的に信用するってのもどうかと思うし、なにせAF前提で設計されているいまのAF一眼レフのファインダーでピントのヤマを見極めるのはけっこう慣れが必要だ。しかもボケ味なんかは撮影画像とあまりにも違いすぎて驚かされることがある。広角域の大口径レンズなんかではピント合わせが厳しいことこの上ないのだ。
 ま、いま原稿書いているんで具体的なことは後で語るとして4年前のデジカメwatchにまだ記事が残っていたのでここでも見ていてください。落ち着いて気が向いたら続き書きます。それにしても、いま確認したらピント外している写真があるな。ご愛嬌ですな(笑)
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初撮りカメラ [カメラ]

 明けましておめでとうございます。
 新年最初に撮るものとか、使うカメラで、なにか今年1年の方向性を示してしまうような気がして、以前は慎重に使うカメラもさることながらモチーフや撮影場所を選んだりしていた。
 だいたい年初に使うのはフィルムライカだったことが多くて、新年の儀式のようなところもあったのだけど最近はiPhoneもコンデジも常に手元にあるから、そういうつまらない約束事に縛られる必要はないと考えるようになった。だから、だらだらとお雑煮とかおせち料理なんかを撮ったりしている。
 写真撮影のあり方、記録という意味においてはもちろん肩肘張る必要はなくて、デジタル時代は目につくものを片っ端から撮影するというのが本来のあり方だろうなあ。
 ただし、さっきカメラを片付けていてマズいなと思ったのは、中判フィルムカメラ1台とライカ1台にフィルムが装填されたままになっていたこと。こういう越年フィルムは非常に不愉快である。と、いうか気持ち悪い。おまけに未現像モノクロフィルムがたくさん貯まっていて、ゲリー・ウィノグランド状態である。中には傑作が写っている可能性があるというのに。忙しいことを理由にこれも越年している。
 ネガはExifで確認するわけにもいかないので、撮影年月日が不明になったりすることが多い。もともとだらしないし、並行して数種のカメラを共用することが多いので混乱するわけだ。
 したがって、こうした「撮影年不明」さらに「撮影場所不明」というネガは増える一方。プライベートで撮影しているのはそこらあたりの街のスナップだから、撮影場所も写っているものからは判別しづらい。そういえば、以前どうしても撮影場所が判明せずに、引き伸ばし機にネガを入れて拡大し、画面の隅に写っていた電柱を拡大して住所を特定したことがあった。
 これを今年は極力なくす方向で考えたい。なんかしょぼい新年の抱負になってしまいました。
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「雑煮2013」リコーCX6で撮影。事実上2013年の初撮りカメラですね。前にも取り上げたけど、CXシリーズはすべてなかなか優秀で、たいへんよく写るカメラである。でも、もうディスコンになってますね。長焦点域でもある程度の近接撮影できるので、便利なカメラだったのになあ。後継機が出るってことかな?それともスマホの影響があるからコンデジのラインアップを見直すつもりなのか。カメラ店にきいてみると、とにかく安いコンデジでも今はまったく売れないらしい。それでもとにかくなんでも色違いでもいいから「リコー」ブランドの早急な新製品が欲しいところだ。
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