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パンケーキ人気は本当なのか [カメラ]

 キヤノンEF40ミリF2.8STMはEFレンズ初のパンケーキレンズということで話題らしい。当のキヤノンも雑誌では1Pの広告とかがあって、力を入れている。アサヒカメラの記事をみると写真家の立木義浩さんの要望で開発されたようだ。これでカメラメーカーのほとんどはパンケーキレンズ分野に参入したことになる。
 でも、これは私の主観的な感想だが、パンケーキレンズは発売時には話題になるけど、意外と持続せず、すぐに人気が萎んでしまうことが多いように思う。
 マジメに作っていたなあと思うのはGNニッコールオート45ミリF2.8だと思うのだけど。でもこのレンズが現役時代のころは、「パンケーキ」などとは呼ばれていなかった。そういえば某元量販店の店員さんに聞いたところによれば、このレンズは廉価版ゆえに、自身の販売ノルマを達成できない時は身銭を切って購入し、販売数(額ではない)の埋め合わせをしたなんて言っていたなあ。
 いちばん疑問に思ったのは、ニコンFM3A登場時かな、新しいタイプのAiニッコール45ミリF2.8Pなるレンズが発売されたこと。これも一時は瞬間風速的に盛り上がったが、しばらくすると、在庫を持て余し、製造中止になった後は中古カメラ店で相当数が廉価販売された。世間で欲しい欲しいと騒ぐので、MF機のFM3Aに合わせていざ作ってみると、ぜんぜん売れないという図式がニコンの中にトラウマとして残っているのではないか。だからAFニッコールは現時点でパンケーキレンズを用意していないのかも。
nikkor45mmF2.8P.jpg
ニコンFGにつけたAiニッコール45ミリF2.8P。FM系カメラなんかよりもこちらのほうが似合うような気がする。当時の栃木ニコンで取材した際にはGNニッコールと同様の形のフードも試作として用意されていたのを見せていただいた記憶あり。

 ただ、ニッコールの場合は、もしこの仕様でままAF化しようとすると、従来の大きさのまま作るのは難しそうだ。AF-S(レンズ内超音波モーター駆動)にするには設計が面倒そうだし。ま、それよりも売れるか売れないかで、商品企画は決まりそうだから、実現は厳しいんじゃないのかなあ。ほんとは欲しいけど。今はその反動で生産数が少ないということ、CPU内蔵のMFニッコールということで、マニア人気になり高値維持が続いているようだ。
 パンケーキレンズというのは、カメラの種類によってはマッチングの妙が出てきて、似合ったりすることもあれば、その逆に絶望的に似合わなかったり使いづらかったりする。ま、私などは自虐的にそのミスマッチさが面白いなどと詭弁を弄しちゃうわけだけど。趣味性が高いことは悪いことではないと思いますが。
 でもパンケーキレンズの多くはMFで使う場合はフォーカシングしやすいわけではないし、実用面では優れた操作性とは言い難い。いや存在自体は否定はしてませんよ。私自身もほとんどのカメラメーカーのパンケーキレンズにおつきあいしているのだが、なんか装着して外観を眺めて、その後に2、3回撮影して満足してしまう。気まぐれに持ち出すこともなくはないけど、なんとなくそのまま防湿庫に入っているというケースが多いような気がする。自戒を込めてこの投稿としてみた(笑)。
pancake.jpg
古いミノルタロッコールTD45ミリF2.8。35ミリ一眼レフ用レンズとしては最薄ではないかと思う。しかし、MCカプラーはないし、フォーカスリングの幅が狭く使いづらいのですわ。
 
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レンズ距離指標問題を訴える [カメラ]

 カメラ雑誌のほとんどでいつもシツコク言っているのだが、昨今のとくにミラーレスカメラの交換レンズに距離指標が省略されていることが気に入らない。どうせAFで使うんだから指標なんか見ないからイラネと、思う人も多いと思う。
 距離指標ってのはカメラから被写体までの距離(すごくアバウトに言った場合ね)をフォーカスリングの回転位置に刻んである距離指標で知らせるためにあるものだから、AFでカメラ任せにするにせよ、MFにせよ、ファインダーでフォーカシングするのなら別に表示がなくてもかまわないと思うかもしれない。
 たしかにそうだけど、ところが大昔のフラッシュ撮影には場合には必ず距離指標は必要なものだったのだ。フラッシュバルブとかマニュアルストロボしかないころには、「GN(ガイドナンバー)÷距離=絞り」という計算式を使うか、あるいはストロボに備えてあった計算尺で適正絞り値を知るために撮影距離の確認は必ず必要だったわけだ。
 また私は晴天下のスナップ撮影ではワイド系レンズの場合は置きピンや目測撮影するものだから、どうしても距離指標が必要になるのである。日中晴天下ではライカと広角レンズの組み合わせで撮影する場合はフォーカシングしていないことも多いわけだ。だから距離指標のないレンズでは本気で撮影する気がしない。
 現在のミラーレスカメラのほとんどはマイクロフォーサーズとかAPS-C
フォーマットだから、交換レンズの焦点距離を35ミリ判の交換レンズと同画角で比較すると短くなる。たとえばマイクロフォーサーズで35ミリ判換算35ミリ相当の画角のレンズだと17〜18ミリレンズくらいになる。これを言い換えると18ミリの深い被写界深度を35ミリの画角で応用することができるということになる。
 逆に望遠系レンズを使い、ボケを応用したい場合は35ミリ判換算100ミリの画角だとマイクロフォーサーズでは50ミリ相当の焦点距離のレンズを使うことになる。つまり被写界深度が深いからボケづらいとみなさん騒いでいる。だから、余談だけどズームレンズと重複した焦点距離でも大口径の望遠レンズは必要になるわけ。
 実用面で例を挙げれば35ミリ判換算で50ミリ相当の画角になるのはマイクロフォーサーズでは25ミリ相当になる。つまり日中晴天下で少々絞り込めば、35ミリ判換算で50ミリ相当の画角ながらも気軽にパンフォーカスや置きピン撮影、目測設定撮影が可能になるのである。これは35ミリフルサイズカメラやフィルムカメラの50ミリ標準レンズではなかなかできない芸当だ。
 だからとくに広角系レンズには距離指標が必要になる。極端にいえば、望遠レンズにはなくても困らないわけ。もっといえば、マウントアダプターを使用したお古広角レンズ遊びの場合はレンズ側に当然のように距離指標がある。マニュアルレンズなら当たり前である。
 つまり、あらかじめ撮影距離を決め、距離設定を行えば、距離指標のない純正広角レンズよりも撮影スピードは速くなる理屈だ。当たり前である。フォーカシングする時間は0だからだ。お古レンズのわけのわからん“味”で大騒ぎするより、よほど私にとっては距離指標があることで表現の幅が広がるのである。
 オリンパスM.ズイコーデジタル12ミリF2.0とか今度新発売になるM.ズイコーデジタル17ミリF1.8はフォーカスリングを移動することでMF切り替えを可能とし、距離指標もある。少々文字は小さいけど。でも置きピンや目測撮影にはたいへん便利である。これもまた開発された方々に感謝したい優れた機能だと思う。
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M.ズイコーデジタル12ミリF2.0のMF時の距離指標。適当な刻みだけど、実用性は十分ですね。
 
 一部のエンジニアさんによれば、距離指標をつけてもかなりいい加減なものになってしまうという。1メートル設定ならちゃんと1メートル±◯ミリ、みたいな公差内に入っていないとイヤなんだろうな。常に絶対的な数値を目標としてレンズを設計しているからだろうが、はい、いいんですよ適当でさ。だいたいでいいわけ。だって、数字を見る角度で違いは出てくるし、なーんにも数値表示がないものよりははるかにマシですぜ。
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 ペンE-P3 M.ズイコーデジタル12ミリF2.0 絞りは8 AEでマニュアルフォーカス。AWB ISO400 距離設定は2メートルと3メートルの間くらいかなあ。ま、適当だけど実焦点距離が短いのでちょこっと絞るとすぐにパンフォーカスになりますからね。
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35ミリレンズ [カメラ]

 先日Twitterだったか、同業者が新しい35ミリレンズがばんばん出るみたいなことをつぶやいていて、私もそう思っていたところだ。
 いろんなところでカミングアウトしているけど、私は「35ミリ病」にかかって幾星霜。とにかく35ミリの焦点距離レンズは激しく欲しい。もう世界中の35ミリが全部欲しい。最近では焦点距離35ミリを極めるつもりだからフォーマットは35ミリにかかわらずだからますます病は重い。当然35ミリは中判フォーマットだと超ワイド、APS-Cなら標準くらい、マイクロフォーサーズなら中望遠の画角ということになるのだが、もうなんだか行き着くところまで逝くと画角換算もおかまいなしである。
 でもまあ正統派の使いかたとしては35ミリ判の35ミリレンズがいちばんいいですね。ちょこっとワイドなレンズというくらいで、絞ると深度深いし、明るいF値のレンズならボケも望める。これも言い古された話だが、写真家の高梨豊先生が提唱した年齢=焦点距離説によれば、私は50ミリレンズを極めねばならぬお年頃であるが、気だけは若いのである。
 いや、ほんと今持って仕事でも私事でもぜーんぶ35ミリレンズで撮ってしまいそうになるから自分で注意しなければならない。私はズームもファインダーを覗く前に焦点距離をセットする人なので、ズームレンズも35ミリセットでズーミングすることなくすべて撮影してしまいそうになるのである。
 成長がないといえばそれまでだけど、好きなものはヤメられない。だから、あれほど一時はキワもの扱いしていたソニーDSC RX1はヤバい。本気で触らなければよかったといま後悔している。カール ツァイス ゾナーT*35ミリF2が良かったのか、カメラ内の画像処理が良かったのか、はたしてどうなんだろうなあ。両方なんだろうね。
 キヤノンEF35ミリ IS USMもかなりの危険水域に達している。だって、現行のヤツって、あまりにまったりした写りで感動ないじゃないですか。特別な大口径じゃないのにIS入れてきたのはエライなあ。設計者と企画者を握手したいくらいである。何なら生ビール一杯くらいはごちそうしたい。
 極めつけはシグマDG 35ミリF1.4 HSMではないかと思う。予約しちまうかなあ、しなくても買えると思いますけどね、いちおうパフォーマンスとして。凄い写りですこのタマは。なんか本気出してますよねえ最近のシグマさんは。
 ま、たぶんいずれの35ミリも近々にカメラ雑誌で写りはご報告することになると思うが、35ミリ破産が現実味を帯びてきたような気がする。
 ほんと、こんな平凡な広角レンズはみなさん無視したほうがいいですよほんと。って、とても幸せだよね。メーカーが普通はまず売れはしない単焦点35ミリレンズ装備のカメラや単焦点レンズをこんなに出してくれるなんて。
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シグマDG35ミリF1.4 HSMの勇姿。うーむ。デザインも写りもよい。ええ、写りが良すぎて気に入らない方は無視していただいて結構ですよーw。テスト品だけど、久しぶりに返却するのやめたくなりました。うちのEOS 5D MarkIIIに装着するとマイクロアジャストメント使わなくてバッチリなんだよね。って、うちのEF35ミリF1.4L USMより相性がいいじゃねえかよ。
 先日、思い切って本業撮影で使ってしまったんだけど、ほんと素晴らしかったです〜♪。
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味のあるレンズ [カメラ]

 「銀塩カメラ辞典」でも、過去の拙著でもたしか書いたけど、味のあるレンズはなんでしょうとか、どれを選んだら味のある写真が撮れますか、なんていう質問をいまだに受ける。これはうどんと蕎麦とどっちがいいかとか、味噌ラーメンと醤油ならばどちらか、みたいな話に近い。
 先日「月刊カメラマン」の連載「ボケてもキレても」用にニコンの名玉じゃなかった迷玉、ニッコールオート43-86ミリF3.5を防湿庫から久しぶりに引っ張り出して撮影した。カメラはニコンF。使用フィルムはフジクロームプロビア100F。で、結果はというと、周辺はケラれたみたいに暗くなるし、像のヌケが悪い。とりあえずマルチコート化したものだけど、「迷」な感じは十分に出ていた。で、これが味なのかどうかというのはとても難しいが、仕事では使えるものではないことは断言できる(笑)。というか、そういうことを喜んでどーするという話もあるんだけど。
 ニコンという会社は真面目だから、昔ユーザー向けに発行されていたPR誌「ニコンの世界」では、このレンズの最良の像が得られる焦点距離と絞りが値が書かれていたと記憶する。メーカー自らが自社レンズのウィークポイントを語るなど今では到底考えられないことであろう。
 私個人としては花鳥風月のキレーな風景写真なんかは見てもすぐに飽きちゃうんだけど、こうした味のあるといわれるレンズで撮った写真をみてみると、長時間鑑賞できることは事実かもしれないが、実は写真そのものを見ているのではなくて、画面四隅が流れて面白いとか、開放絞りだと像がポヤポヤでハロがあってイイということばかりに興味が行ってしまったりする。これはレンズテストの写真ということになるわけだ。理想的にはモチーフの雰囲気がレンズのダメさ加減によって、より活かすことができるかどうかだが、モチーフとレンズのクセがマッチングした写真が見られるのは100枚に1枚くらい。それも意図したものではなくて偶発的に現れるんじゃなかろうか。とあるレンズのクセが、このモチーフに合うのではないかと妄想して撮影し、思ったほどの効果があがらなかったなどという過ちは過去何度も繰り返している。
 Photoshopなんかは、あまりにもうまくできたソフトだから、私なんかはレンズのダメなところを徹底して補正したくなってしまったりして、どうも潔くない。だからこの連載もフィルムカメラで撮影しているんだけど、フィルム性能も取り上げる時代のレンズ発売当時よりも大幅に向上しているから、性能の低いレンズとフィルムを組み合わせた、レンズ発売当時のあのころって感じの写真は、本当に見ることは少ない。
 写真はニッコールオート43-86ミリF3.5(Ai改)をつけたニコンF。今回の試写ではクセは出たけど、言われるほど悪くないという結果になった。ヘンなモチーフを探して、このレンズのダメさ加減を活かした作例写真ができるようにもう少し頑張ろうか(笑)。まあ、まだ時間はある。この作例は近いうちに月カメでお披露目することにしましょうか。
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今年一番使用したカメラ [カメラ]

 月刊誌はいま12月号を制作中だからすでに年末モードである。某誌のアンケートで、今年一番使ったカメラは何ですか?というのがあって、これは仕事だとEOS5D MarkIIIになりそうだけど、小商い撮影も含めたカメラを総合して考えると、もしかするとEOS KissX6iなんじゃないかと思う。ほんと。で、いつも肌身離さず持ち歩いているカメラとはリコーCX6だったりする。
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フィルムカメラも必ず持ち歩いてはいる。例年だと、ライカのいずれかの機種になるのだが、今年は珍しくライカじゃないんじゃないかと。アサヒカメラは銀塩モノクロ、月刊カメラマンはリバーサルフィルムだから、また話がややこしくなる。ま、おかげで強制的に暗室に入り、ラボに毎月行くという生活になっている。
 コンデジはスマホのカメラに押されているとかで、売り上げはいまひとつらしく、今後の見通しがクライ。まあ、これは仕方ない。私も使用しているiPhoneのカメラの実力は認めるけど、でもね、なんかこればっかりで撮影して、facebookなんかのSNSにそのまま画像アップしてしまうのは、驚くほどタイムリーでカンタンだけど、いくらなんでもいちおうの職業カメラマンとしては安直な感じもする。そこでリコーCX6で撮影し、Eye-Fi経由でiPhoneに送って、それからアップするという手順をとっている。おかげで、私のCX6はボロボロであるが、機能はちゃんとしている。
 気分の問題なんだけど、リコーのCX系カメラで素晴らしいのは長焦点域設定でも、ある程度のマクロ撮影が可能なことだ。テレマクロというには大げさで、もちろん超接写には向いていないから、時と場合によるが、ちょっとした料理撮影なんかには、少し望遠域に設定して撮影するとそれなりに見えたりする。
 「人の昼飯を見てどうする」と怒っているfacebookの“友達”もいたけど、私は自分で撮るのも、人の料理写真を見るのもわりと好きなほうである。写真は東京は練馬区関町の中華料理店梁山泊の名物料理というかB級グルメだけど「あんかけチャーハン」をリコーCX6で撮ってみた。少しだけ中焦点域にして、マクロに切り替えてそのまま撮影でリサイズのみ。
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リコーCX6 ISO800 プログラムAE Jpeg
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大口径超広角レンズ [カメラ]

 コシナからフォトレンダーウルトロン21ミリF1.8Aspherical VMが登場する。こうした超広角系で大口径というのはズームレンズよりも設計や製造に神経を使うらしいが、嬉しかったのは、ライカM9で撮影しても周辺の色カブリを感じなかったことだ。それでいて、画質の均質性が高い。となると、アダプターで使用するとけっこうヤバく色カブリするV系カメラなどでもけっこうイケる画像になりそうである。射出瞳の位置が考慮されているのであろう。
 レンジファインダーカメラの交換レンズは大口径でも、ファインダーを覗いても明るくなるわけではないし、ボケ味もわからないから高価なレンズを購入して、カメラに装着してファインダーを覗いても、精神的な高揚感に欠けるようなところがある。あたりまえだけど、これは仕方ない。
 でもさすがはコシナである。廉価とはいわないけど、値付けがうまい。本家ライカにはズミルックスM21ミリF1.4 ASPH.なるゴージャスなスーパーレンズが存在するけど、実勢売価は1/5くらいじゃなかろうか。
 では明るい大口径レンズが何がいいのか、と云われると実は最近困るのである。デジカメはISO感度変えられるし、暗いところを撮るためだけのレンズじゃないよ、ということだけは言っておくべきであろう。ではボケ味のよさを求めるのか。それはたしかにいえるのだが、広角系レンズだから、開放絞りを使用しても、意外にボケなかったりする。それに一眼レフの場合は広角系の大口径レンズで正確なピント合わせをするのは至難の技で、位相差AFは望遠レンズ使用時以上に、精度的に怪しく感じる場合がある。
 ではライブビューで撮れば、といわれても、せっかくの一眼レフをミラーレスのようにして使うことになるわけだから、悔しいことこの上ない。それに動きのある被写体だと逆に苦しくなってしまうこともある。ライブビューやEVFで拡大すれば正確にピントを合わせられるじゃないの、と言われてしまうけど、ボタンを押すたったひとつの動作でさえ面倒だと思うことも多し。ライカのほうが圧倒的に速いのである。
 実は、アサヒカメラ11月号レビューでこのレンズを使ってみたのだけど、ライカM9のピントの正確さに舌を巻いた。わりとラフにピント合わせをしても、あたりまえのように狙ったところにピントが合っている。21ミリでポートレートを撮ることは少ないだろうが、所有の他のAF一眼レフと21ミリ〜35ミリ大口径レンズのピント精度に疑問を感じてしまうほどである。
 もっとも、MF一眼レフ時代から大口径広角レンズのピント合わせには要注意だったわけで、AF一眼レフ時代が到来してからもずいぶんと経つけど、なんかAFの根本的な問題を今頃になって感じている次第である。一眼レフは根本的な原理も実は古くさいのだけど、デジタル化によって、改良せねばならないところもかなり散見されるわけだ。それにしても明るいだけのファインダーって、もうちょっとなんとかならんのかね。
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レンズフード [カメラ]

 最近はレンズのコーティングの性能が向上したためか、レンズフード不要論なるものも目にする。レンズの設計者などに訊いてみると、「うちのレンズはフード要りません」みたいなことをいわれたりする。ではではということで、フードを使い慎重にハレギリ(レンズに余計な光が入らないようにすることね)と、そのままフードを使わないで撮影したものを比較してみると、意外にも違いがわかったりする。
 レンズ設計者は自信があるんだろうけど、フトコロの深い一眼レフなんかでは、ミラーボックス内で迷光とか反射とかがあって、画像に悪さをしたりするのではないかと勝手に想像している。
 天下のハッセルブラッドなんかでも、そのウラでは「ハレッセル」などと揶揄された言い方をされていたりして、スタジオで白バックや逆光で撮影する場合は神経を使ったものだ。これもボディ内の反射が要因のようである。ベテランのスタジオさんなんかは、こちらの機材がハッセルだとわかると、非常に神経質にハレギリしてくれたりしたものである。
 ま、フードがあるから安心だといっても、実は撮影時に余計な光がレンズに入っていないか目視しなければ、効果があるのかどうかは本当はわからないものだ。しかし、屋外のスナップ撮影などでは、これは不可能だから、まあ、ないよりはあるほうがいいだろうというくらいのものだ。
 たぶんこれをお読みのみなさんはおわかりだろうけど、フードはレンズのルックスを引き立てるアクセサリーという目的のためにあるのではないかと思うわけだ。ミラーレス機の交換レンズ、とくにペンケーキタイプのものなどは、フードを使うとレンズ全長が長くなるためか、純正のフードを用意していなかったりするのだが、写真用品メーカーなどはこのあたりの事情をくんで、フードを用意している。
 私なんかはすべてカタチから入るほうだから、クラシックなレンズを購入しても、フードがないと撮影に向かうモチベーションが下がる。だからライカレンズでもレンズ本体以上にフードを探索することに血眼になったりするわけで、フードに莫大なお布施をしたものだ。端からみれば、相当な無駄使いだろうが、これは精神論に近いものがあるから仕方ない。
 先日、フードがないものだからいまひとつ使う気が起こらなかったニコンSマウントのニッコール5センチF1.1用のフードを手に入れた。純正品はレンズ以上に珍品、超高価で知られていて数が少ないのだが、超巨大で、しかもプラスチック製のため割れやすいという欠陥品で、仮に入手したとしても恐ろしくて使用できないシロモノだったけど、今回のは知る人ぞ知るYAMA製。金属製で仕上げは抜群。
カブセ式だが、本体の絞り指標が見えるようにするためと、キズがつかないように対策されていて、フィルターの使用が前提となり、フィルターの前にアダプターリングをねじ込んで装着する。しかも、新旧のフィルターのピッチに合わせて、アダプターリングも2種類用意されているという念の入れようである。
 フードの入手でこのレンズを使う気になっているのだが、はたして名作が撮れるのかどうかは今後の大きな課題なんだけどね。
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星取り表 [カメラ]

 暑ければ暑いで外に出ると撮影意欲が失せ、涼しくなって、天気が悪いと酷暑の夏を懐かしむ、みたいな本日なのだが、例のごとく仕事予定が遅れ気味でそろそろ機嫌が悪くなる週間に突入しつつある。
 商売柄、知人関係からカメラ購入相談が来るけど、おまえはアサカメで○カメラを褒めてたけど、ほんとのところはどうだ、みたいな話が来て、これに答えるのはとても面倒だ。実際に会ってお話するとか、酒宴のヨタ話ならともかく、メールなんかだと返答がしづらい。もちろん本当のところもなにもない。第一に、レビューに使うカメラはβ機がほとんどだから、いわば出来損ないみたいなもの。しかも、手元にあるのが一泊二日なんてこともある。これまでの最短試用時間は半日というレコードがあるけど、これでは本当に印象評がせいぜいで、機能についての論評は正確にはできるわけもない。
 私はカメラ博愛主義者だから、新型カメラ登場時は全て100点で、あとは減点方式になる。カメラ雑誌で星取り表を採点することがあるが、これが苦手で、本当は断りたい。あれはカメラ登場時のことがほとんどだから、当初は満点に近い点数をつけることが多いが、こんどは実際にあらゆるシーンで使ってみると気に入らないところが出てきて、星の数は当然減る。
 以前、最初に満点をつけていたカメラを、後になって酷評しているのはなぜか、というお手紙を読者いただいたことがある。後に自腹でカメラを購入すると、何の縛りもないから、どうしても辛口になる。
 イレギュラーでカメラメーカーさんの特定の機種に限って広告の仕事をすることはあるけど、永続的に仕事をやるほど懇意のメーカーもない。まあ、それはそれでよろしかろう。
 カメラの好き嫌いなんか個人的な価値観で変わる。私もそれに素直に従っているだけ。スポーツカメラマンと、商品撮影カメラマンとではカメラに対する見方や価値観が異なるのは当然で、必要とされているスペックも異なる。私はカメラのプリミティブな部分で好き嫌いを決めている。だから、スペック重視の方には嫌われてしまうことも多いんだろうと想像する。
 フォトキナもそろそろ終わりだけど写真は2006年のフォトキナでライカM8を使って撮影した作例の一枚。たしか日本のメディアでは唯一貸し出しに成功したのがアサヒカメラであった。先日ハードディスクを整理している時に出てきた。未加工のデフォルト設定写真をそのまま載せる。借り出したのはたしか夕刻で作例撮影の撮影時間は3時間に満たなかった記憶がある。
 失礼ながら、この時はカメラの機能云々よりも、デジタル化したM型ライカが本当に写った!ということが単純に驚きだった時代。たかだか6年前の話である。
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「銀塩カメラ辞典」発売! [カメラ]

 明日、10冊めとなる新著が発売される。銀塩カメラ辞典(平凡社)。
 アサヒカメラに長年連載していた、エッセイを抜粋し、あらたに書き下ろしを入れている。作例写真は取り上げたカメラにフィルムを入れて撮影し、フィルムからプリントまで自家処理している。
 銀塩写真、カメラを取り巻く環境が絶望的なこの時期になぜこんな本を、と訊かれるけど、デジタルカメラは3年もすれば話題にもならない。新型カメラが登場すれば指南書がたくさん出てくるけれど、その命は短い。カメラを開発するエンジニアも寝食を忘れて仕事をし、たいへんな苦労をされているが、モノ的な充足感のあるカメラは少ないのは困ったことで、使いもしない機能だけが増えている。カメラは機能とは関係なく語れるものであってほしい。
 銀塩カメラたちはフィルムがある限りは、今後もこれまでと同様に活躍してくれるし、使ってみると、意外にも新しい発見があったりする。エラそうにそれを説こうとは思わないが、なぜ銀塩カメラ、写真はいまだに面白いのか、その理由を自分でも探るために書いたようなものだ。今さら、銀塩写真の優位性などを説こうとは思わない。面白いから使っている。それだけでいいと思う。
 でも、フィルムがなくなれば銀塩カメラが弾丸のない銃みたいなものだから、ただのゴミと化してしまう。自分の生きているうちはフィルムは存続するだろうという楽観論者だからこそ、こういう本もできたわけだけど、将来のことは神のみぞ知るである。はたしてどうなるだろうか。

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